オフカメラ・ライティングの始め方(1)

オフカメラ・ライティングの始め方(1)

更新日:2023/6/12

ストロボをカメラから離してリモート発光させる「オフカメラストロボ・ライティング」を始め方を解説します。 使用機材は、ストロボ(i60A, MG-X, MG60など)、コマンダー(Air10s)、ライトスタンド(LS-50C, LS-55C, LS-65C, LS-20Cなど)、アンブレラ*、アンブレラホルダー(FT-01)の5つです。

アンブレラは初心者でも扱いやすいので、最初に購入するモディファイヤーとしておすすめいたします。アンブレラには、反射型とトランスルーセント型の2種類がありますが、ここでは、発光面を被写体に近づけて、面光源の柔らさを活かしやすいトランスルーセント型アンブレラを使ってご説明します。

*2 市販のトランスルーセント型アンブレラをお買い求めください。

すでに上記ストロボを持っている場合は、あとは、コマンダー、スタンド、アンブレラ、アンブレラホルダーがあれば、「オフカメラ・ストロボ・ライティング」が始められます。

機材の組み立て方/ペアリング

では最初にキットの組み立て方について説明します。

①最初に

  1. 「ストロボ」と「コマンダー」に電池を入れる
  2. 「ライトスタンド」を立て、「アンブレラホルダー」を取り付ける
  3. 「アンブレラホルダー」に「ストロボ」と「アンブレラ」を取り付ける



②ペアリング

1.次に、ストロボとコマンダーをペアリングします。ストロボの電源が切れた状態で「電源ON/OFFボタン」と「操作ロックボタン」を同時に長押しすると、パイロットランプが黄色点滅し、「ピッピッ…」と音が鳴り始めます。※「電源ON/OFFボタン」と「SETボタン」を同時に長押しする機種もあります。

2.次に、コマンダーの電源が切れた状態で「電源ON/OFFボタン」と「操作ロックボタン」を同時に長押しすると、コマンダーのパイロットランプが黄色点滅します。

3.コマンダーから指を外すと、ストロボの音が鳴り止み、ストロボとコマンダーが起動し、ペアリング完了です。

ポイント「ペアリング」は、電源を切っても記憶されますので、最初に一度だけ行います。

③グループ設定

ストロボ「i60A」を「A」グループにセットするため、モードダイヤルを回して「赤囲みのA」を選んでください。

赤囲みのAに合わせる
ポイント 「グループ設定」は、ストロボが一台のときはグループ「A」にセットしてください。2台目のストロボを使用する場合、「B」にセットすれば、AB別々に遠隔操作できます。

④コマンダーの操作

「TTL」調光補正して光量を記憶
   ↓
「M」で調整
  1. 左下の「M/TTL」ボタンで、「TTL」(自動光量調整)にセット。グループAのストロボを遠隔操作するので、コマンダーのA右側の目盛りを調整します。中心が適正光量「0.0」の位置です。中央のダイヤルを回すと0.3EVずつ変化します。
  2. 被写体の露出を明るくしたい場合は、ダイヤルを時計回りに、暗くしたい場合は、反時計回りにしてください。この調整を「調光補正」と言います。


  3. 明るさがちょうど良くなったら、次に「M/TTL」を押して「M」(手動光量調整)に切り替えます。
  4. 「M」に切り替えたときに、さきほどの「TTL」で「調光補正」したときの光量は記憶されて残ります(「TTLメモリー」)。
  5. 「M」モードもTTL同様、ダイヤルを時計回りに回すと明るく、反時計回りに回すと暗くなります。
ポイント 最初から「M」で調整すると、適正光量を得るまでに手順が多くなるので、初心者の方には、上記方法をお勧めします。慣れれば「M」のほうが早く調整できます。

光量調整の仕方が分かりましたので、では実際にポートレートライティングを実践してみましょう。

基本的なライティング方法

ライティングを行うときは、最初に「基本ポジション」にストロボを設置し、人物の特徴によって「微調整」をします。次に「バリエーション」に移ります。

ライティングの流れ



▶ 基本ポジション
▶ 微調整
▶ バリエーション

では、それぞれについて、詳しく説明します。



▶ 基本ポジション

被写体の斜め45°、目線より高い

「斜め45°」...被写体から撮影者に向かって、右または左斜め約45°の位置という意味です。
「目線より高く」...被写体からストロボを見て目線より高い位置にストロボの高さを設定します。

綺麗に光が回りつつ、程よい陰影で立体感のあるライティングです。陰影がつくことにより服の質感が表現され、高級感のある写りになります。目線より高い位置から光を当てることで自然な印象になりやすいです。

適度な立体感でベーシックなライティングです。ライティングに迷ったときはこの基本ポジションから始めると良いでしょう。


▶ 微調整

基本ポジションは当たり外れが少ない標準的なライティングですが、万能ではありません。
"被写体のイメージや肌の調子"、"凹凸やパーツの大小などの顔の特徴"、"着ている服の種類"によって適した光の当たり方は異なります。基本ポジションからの微調整が必要になる場合がありますので、調整方法について見ていきましょう。

◎イメージ “格好いい”はサイド寄り、“可愛い”は正面寄りが似合う
被写体が男性など、格好いいイメージで撮りたい時は立体感が強調される位置(サイド寄り)に。女性や子供など、可愛らしさを出したり柔らかいイメージに撮りたい場合は、立体感を強調し過ぎない正面寄りの位置に調整することが多いです。
◎肌 シワや肌荒れが気になる場合は正面寄りに
正面寄りからのライティングはシワや肌荒れが目立たなくなり、肌が綺麗に写ります。
◎顔の凹凸やパーツの大小 気になる箇所が目立たないように
顔の凹凸やパーツの大小など、被写体の顔の特徴の気になる部分が強調されないような位置に調整します。陰影がつくと凹凸が強調されるため、立体感を和らげたい場合は正面寄りにしたり光源の高さを下げます。逆に立体感を出したい場合はサイド寄りにしたり光源の高さを上げます。
◎衣装の形・質感 服の形や質感を強調したい場合はサイド寄りに
服の形や質感をメインに表現したい場合は、見た目と大きく異ならないよう、光の角度を微調整してください。服の質感を表現したい場合は、ストロボをサイド寄りの位置に調整するのが良いです。

ポイント

一灯ライティングの場合は、何を優先するかはっきり決めましょう。上記は参考例です。ストロボ位置を、サイド寄りにするか正面寄りにするかは、最終的には写真で判断を行ってください。
※調整方法は一つの目安です。


▶ バリエーション

さて、基本ポジションの調整が終わったら、次にバリエーションを撮りましょう。バリエーションには3つの基本パターンとその組み合わせがあります。

○同心円 被写体を中心に同心円状にストロボを移動させる。 

・同心円状に移動させる場合は、被写体との距離が一定のため、ストロボの発光量を変える必要はほぼありません。
・ストロボの向きが被写体に向くように調整してください。
・正面寄りにするほど若い印象に、サイド寄りにするほど大人びた感じに、さらに後方寄りに設置すると影を帯びてドラマティックな印象を与えます。

※注意 サイドから後方寄りに設置する場合は、ストロボ光が露出にあまり影響しないため、TTLが使えません。Mで光量調整を行ってください。

⇅上下  ライトスタンドを伸縮し、ストロボを上下させる。

・高くする場合は光量を強く。低くする場合は光量を弱く。
・ストロボ発光部が被写体に向くよう、上下角度の調整も行ってください。

↔距離 被写体へストロボを近づけたり、遠ざけたりする。

・近づける場合は光量を弱く。遠ざける場合は光量を強く。
・ストロボ発光部が被写体に向くよう、上下角度の調整も行ってください。

それでは、次のページではバリエーションの変化を具体的に見てみましょう。

【同心円移動:約23°(正面寄り)】

基本ポジションに比べ、光がよく回り明るい印象になります。

45°の写真に比べると少し平面的な印象になりますが、程よい立体感もあります。陰影が少なくなり表情も明るく見えます。

柔らかさや明るさを演出しつつ、少し立体感も欲しいときにオススメです。

【同心円移動:0°(正面)】

基本ポジションに比べ陰影がほとんどありません。高さを付けているので下方向(アゴの下など)にだけ影ができています。

横方向に陰影ができないため立体感はあまり感じられません。

明るく元気な、または若々しい印象を与えたいときに使いたいライティングです。

では、今度は、基本ポジションから(被写体の)サイド寄りに移動してみましょう。

【同心円移動:約68°(サイド寄り)】

基本ポジションに比べ影の面積が増えます。立体感があり少しダークな雰囲気が出てきました。

かっこいい雰囲気や、陰のある表現をしたいとき、大人っぽい感じを出したいときなどに用いるライティングです。

【同心円移動:90°(真横)】

顔の半分が影になるライティング、いわゆるスプリットライティングと呼ばれるものです。

ダークな印象やクールな雰囲気を作りたいときに使いたいライティングです。真横から光が当たるため、被写体にライトの方を向いてもらい横顔を狙うのもおすすめです。

次は、サイドからさらに後方寄りに移動するとさらに影が多くなります。

【同心円移動:約113°(後方寄り)】

半逆光と言われる光ですが、表情が暗くなり、ドラマチックな表現になります。

影が増えれば増えるほど、想像を掻き立てる表現方法になります。

【同心円移動:約135°(後方寄り)】

基本ポジションに比べ、ほとんど顔に光が当たらず、よりシルエットが強調されます。

白い壁や背景紙などから反射の光が回り込み薄っすらと表情が見えていますが、影側に黒レフなどを置き黒締めすると完全に影になります。

逆に影をもっと明るく起こしたい場合、影側に白レフや白カポックを置きましょう。

それでは最後に「↔距離」を変えた場合の変化について見てみましょう。

「↔距離」を変えた場合の変化について、まずは被写体とライトの距離が約2m30cmのときです。約23°(正面寄り)の位置から被写体に近づいてみます。

【距離:約2.3m】

光がよく回るため、影が薄めについています。背景紙まで光が回るため、白い背景紙が明るめのグレーになっています。
アンブレラで柔らかさもありつつ、はっきりとした写りになっています。

【距離:約1m】

光の回り込みが少なくなり、影がグッと落ちてシャープな印象です。背景への光の回り込みも少なくなり、暗めのグレーになっています。

ライトが近づくことにより</blockquote

以上のようにバリエーションを撮影していくことができます。

基本ポジションの調整と目的にあわせたバリエーション撮影がスムーズにできるよう練習してみてください。

https://www.nissin-japan.com/column/plk-2

もっと詳しく知りたい!聞きたい!方は、
Youtubeのご視聴、またはワークショップへのご参加をぜひお願いします。


モデル:有栖川姫子

撮影・執筆:えはらあい
監修:國頭公之


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